NISAの口座を開いて、いざ積立を始めようとすると、最初に迷うのが「どの商品を選ぶか」です。
つみたて投資枠で買える投資信託だけでも、数百本あります。
よく名前を聞くのは、オルカンのような低コストのインデックスファンドです。
一方で、運用のプロが銘柄を選ぶアクティブファンドにも、長い実績や独自の特徴を持つ商品があります。
この記事では、NISAの制度の基本から、商品を選ぶときの基準、インデックスとアクティブの違い、コストの比較、2つを組み合わせる考え方までを順を追って整理します。
具体的な商品として、インデックス型の「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」と、アクティブ型の「キャピタル世界株式ファンド(DC年金つみたて専用)」「フィデリティ・世界割安成長株投信 Bコース(テンバガー・ハンター)」の3本を取り上げます。
マネー室長「インデックスとアクティブ、どちらが正しいか」という話になりがちですが、実はどちらにも得意な時期があります。数字を並べながら、自分に合う持ち方を一緒に考えていきましょう。
NISAの制度の基本
2つの投資枠と生涯の上限
NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つの枠があります。
2つの枠は併用でき、合わせて年間360万円まで投資できます。
| つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
|---|---|---|
| 年間の投資上限 | 120万円 | 240万円 |
| 生涯の上限 | 1,800万円(2つの枠の合計) | 1,800万円のうち1,200万円まで |
| 買える商品 | 金融庁の基準を満たした投資信託 | 上場株式や投資信託など |
| 買い方 | 積立のみ | 一括・積立どちらも可 |
NISA口座で得た運用益や分配金には、税金がかかりません。
通常の口座では利益に約20%の税金がかかるので、長く運用するほど差が大きくなります。
また、売却した分の枠は翌年以降に復活するので、途中で使うことになっても枠が無駄になりません。
つみたて投資枠と成長投資枠で買える商品
つみたて投資枠で買えるのは、金融庁が「長期の積立に向いている」と認めた投資信託だけです。
手数料が低いことや、毎月分配型ではないことなど、一定の条件をクリアした商品に絞られています。
そのため、この枠の中から選べば、極端に手数料が高い商品を選んでしまう心配はほとんどありません。
一方、成長投資枠は対象が広く、つみたて投資枠の条件には当てはまらないアクティブファンドも買えます。
成長投資枠でも毎月の積立設定ができるので、「つみたて投資枠で買えない商品を、成長投資枠で積み立てる」という使い方も可能です。
なお、2027年1月からは0歳〜17歳でもつみたて投資枠を使えるようになります(こどもNISA)。
つみたて投資枠の対象商品も広げる方向で見直しが進んでいますが、大人のNISAの基本的な仕組みは変わりません。



つみたて投資枠の商品は、いわば「一次審査を通過した候補」です。成長投資枠はそれより選択肢が広い分、自分で中身を確かめる目がより大切になります。
商品を選ぶ4つの基準
NISAで商品を選ぶときは、次の4つを順番に確認していくと迷いにくくなります。
① 運用の方法
投資信託の運用方法は、大きく「インデックス型」と「アクティブ型」に分かれます。
インデックス型は、株価指数と同じ値動きを目指す運用です。
市場の平均点をそのまま取りに行くイメージです。
アクティブ型は、運用会社が銘柄を選び、指数を上回る成績を目指す運用です。
どちらが良い悪いではなく、「平均をそのまま取るか、プロの選別に期待するか」の違いと考えてください。
② コスト
投資信託を持っている間は、「信託報酬」という手数料が毎日差し引かれます。
年0.1%と年1%の差は小さく見えますが、積立は10年、20年と続けるものです。
期間が長くなるほど、コストの差は運用成績にはっきり表れます。
成長投資枠で買える商品の中には、購入のたびに手数料がかかるものもあるので、あわせて確認しましょう。
③ 純資産総額
純資産総額は、そのファンドに集まっているお金の量です。
純資産総額が大きいファンドは多くの人に選ばれており、途中で運用が終わってしまう(繰上償還)リスクが低くなります。
長期の積立では、「20年後もそのファンドが続いているか」も大切な視点です。
④ 投資先の範囲
世界全体に広く投資するのか、米国など特定の地域に絞るのかで、値動きの大きさが変わります。
範囲が広いほど分散が効いて値動きは穏やかになりやすく、狭いほど当たり外れが大きくなります。
今回取り上げる3本は、どれも「世界の株式」に投資する商品です。
ただし、同じ世界株式でも、どんな銘柄を多く持っているかは大きく異なります。



4つのうち、あとから変えられないのはコストです。成績は相場次第で変わりますが、手数料は必ず毎年かかる、という点は覚えておいてください。
今回比べる3つのファンド
この記事では、次の3本を比べていきます。
① eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
三菱UFJアセットマネジメントが運用するインデックスファンドで、「オルカン」の愛称で知られています。
2018年10月に設定され、MSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)という世界の株価指数に連動することを目指します。
日本を含む先進国と新興国の、約3,000銘柄にまとめて投資できるのが特徴です。
各銘柄への投資の割合は、その会社の規模(時価総額)に応じて決まります。
そのため、組入上位にはエヌビディア、アップル、マイクロソフト、アマゾンといった米国の大型テック株が並び、米国の比率が大きくなっています。
信託報酬は年0.05775%以内と、業界でも最低水準です。
純資産総額は約14兆円と国内最大級で、つみたて投資枠・成長投資枠のどちらでも買えます。
② キャピタル世界株式ファンド(DC年金つみたて専用)
米国の大手運用会社、キャピタル・グループが運用するアクティブファンドです。
世界各地のアナリストが企業を調査し、成長が見込める企業を厳選して投資します。
組入上位には台湾セミコンダクター、メタ・プラットフォームズ、エヌビディア、ブロードコムなどが並びます。
これらはオルカンでも上位に入る銘柄で、大型の成長株が中心という点ではオルカンと似た顔ぶれです。
このファンドには、通常版とDC年金つみたて専用版があります。
通常版は信託報酬が年1.7%程度で、購入時手数料もかかります。
一方、DC年金つみたて専用版は購入時手数料がかからず、信託報酬も実質年1.085%程度に抑えられています。
中身の運用は同じなので、NISAの積立で使うならDC年金つみたて専用版のほうがコスト面で有利です。
DC年金つみたて専用版は2016年4月に設定され、NISAではつみたて投資枠でのみ買えます。
③ フィデリティ・世界割安成長株投信 Bコース(テンバガー・ハンター)
世界的な資産運用グループのフィデリティ(日本ではフィデリティ投信)が運用するアクティブファンドで、2020年3月に設定されました。
愛称の「テンバガー」は、株価が10倍になる銘柄を指す言葉です。
企業の長期的な成長力と、株価の割安さの両方に着目し、本来の価値より安く放置されている成長企業を探して投資します。
組入上位にはパフォーマンス・フード・グループ(食品卸)、ウェルズ・ファーゴ(銀行)、PG&E(電力)、ステート・ストリート(金融)などが並びます。
上位の銘柄でも1銘柄あたり1%程度と、非常に多くの銘柄に分散しているのが特徴です。
大型テック株が上位に来ないため、オルカンとは中身が大きく異なります。
信託報酬は年1.65%で、購入時手数料は販売会社によって異なり、上限は3.3%です。
純資産総額は約9,900億円で、NISAでは成長投資枠でのみ買えます(つみたて投資枠の対象外)。
Bコースは為替ヘッジなし、Aコースは為替ヘッジありで、この記事ではオルカンと条件をそろえるためBコースを取り上げます。
3つのファンドを並べると
3本の特徴をまとめると、次のとおりです。
| オール・カントリー | キャピタル世界株式(DC) | テンバガー・ハンター(B) | |
|---|---|---|---|
| 運用の方法 | インデックス型 | アクティブ型 | アクティブ型 |
| 運用のスタイル | 世界の株式市場全体に時価総額の割合で投資 | 成長が見込める企業を厳選 | 割安な成長企業に幅広く分散 |
| 組入上位の顔ぶれ | 米国の大型テック株 | 米国・台湾の大型テック株 | 米国の金融・生活関連・公益など |
| 信託報酬(年率・税込) | 0.05775%以内 | 実質1.085%程度 | 1.65% |
| 購入時手数料 | なし | なし(ネット購入の場合) | 販売会社による(上限3.3%) |
| NISAで買える枠 | つみたて投資枠・成長投資枠 | つみたて投資枠のみ | 成長投資枠のみ |
| 設定日 | 2018年10月 | 2016年4月 | 2020年3月 |



同じ「世界株式」でも、中身を見ると性格がまったく違いますよね。キャピタルはオルカンの「上位銘柄を厳選した版」、テンバガー・ハンターはオルカンと「違うところを掘る版」とイメージすると分かりやすいと思います。
インデックスとアクティブ、どちらにも勝つ時期がある
過去10年の成績を並べてみる
3本の成績を、2017年から2025年まで年ごとに並べてみます。
オール・カントリーは2018年10月に設定されたファンドのため、10年分の実績はありません。
そこで2021年までは、オール・カントリーが連動を目指す指数(MSCI ACWI、円ベース)の概算で比べます。
テンバガー・ハンターは2020年設定のため、2022年以降を載せています。
| 年 | 全世界株式 | キャピタル世界株式(DC) | テンバガー・ハンター(B) |
|---|---|---|---|
| 2017年 | 約+19.6% | +22.2% | 設定前 |
| 2018年 | 約-10.9% | -9.8% | 設定前 |
| 2019年 | 約+25.1% | +29.2% | 設定前 |
| 2020年 | 約+10.1% | +23.5% | 設定前 |
| 2021年 | 約+32.2% | +30.8% | 掲載なし |
| 2022年 | -5.58% | -14.7% | +3.49% |
| 2023年 | +30.42% | +30.9% | +27.87% |
| 2024年 | +32.48% | +31.3% | +15.91% |
| 2025年 | +20.51% | +17.9% | +14.78% |
全世界株式の2017〜2021年は、MSCI ACWIに連動するETFのドル建てリターンを、日本銀行の年末の為替レートで円に換算した概算です。2022年以降はオール・カントリーの実績です。
キャピタル世界株式ファンドは、全世界株式と比べて9年間のうち5回上回りました。
前半の2017〜2020年は、キャピタル世界株式ファンドが4年続けて上回りました。
特に2020年は、13ポイント以上の差がついています。
一方、2021年以降は全世界株式が上回る年が増えました。
2022年は、3本の値動きがはっきり分かれた年です。
キャピタル世界株式ファンドは、成長企業を多く組み入れているため、成長株が売られたこの年は-14.7%と大きく下がりました。
「アクティブなら下落に強い」とは限らない点は、正直にお伝えしておきたいところです。
反対に、テンバガー・ハンターは+3.49%と、3本の中で唯一プラスでした。
割安な銘柄を幅広く持つ運用が、成長株の下落局面で力を発揮した形です。
ただし、大型テック株が大きく上がった2023〜2025年は、全世界株式を下回っています。
期間ごとの成績と10年通算
期間ごとの成績を、年率に直して比べます。
| 期間 | オール・カントリー | キャピタル世界株式(DC) | テンバガー・ハンター(B) |
|---|---|---|---|
| 1年 | +33.12% | +22.34% | +26.18% |
| 3年(年率) | +24.29% | +20.10% | +17.68% |
| 5年(年率) | +19.72% | +15.14% | +16.69% |
| 10年(年率) | +17.7%(指数) | +17.1% | 設定前 |
出典:ウエルスアドバイザー(2026年8月末時点)。10年はキャピタル世界株式ファンド(DC年金つみたて専用)月次レポートより、指数はMSCI ACWI(税引後配当再投資・円ベース)。
直近の3年や5年で見ると、オール・カントリーが大きく上回っています。
ただ10年で見ると、オール・カントリーの指数とキャピタル世界株式ファンドの差は、年率で0.6%程度です。
10年前に100万円を投資していたら、キャピタル世界株式ファンドは約485万円、指数は約509万円になった計算で、ほぼ互角といえます。
注目したいのは、キャピタル世界株式ファンドが実際に投資している海外のファンドの成績です。
この海外ファンドは、10年間で+461.4%と、指数の+408.8%を上回っています。
運用の腕では指数に勝っていたものの、日本の投資信託としてかかるコストを差し引いた結果、わずかに逆転された形です。
インデックスが強い局面、アクティブに出番がある局面
どちらが勝つかは、相場の形によって入れ替わります。
- インデックスが強い局面
ごく一部の超大型株が相場全体を引っ張る時期です。直近の米国大型テック株が主導する相場のように、指数を持っているだけで大きなリターンが得られ、アクティブは追いつきにくくなります。 - アクティブに出番がある局面
相場の主役が入れ替わる時期や、指数の中で割高になった銘柄が大きく下がる時期です。指数は割高な銘柄も機械的に持ち続けますが、アクティブは選別によって避けることができます。
さらに、アクティブの中でも、どの局面に強いかはファンドによって違います。
2017〜2020年の成長株が伸びた時期はキャピタル世界株式ファンドが、2022年の成長株の下落局面ではテンバガー・ハンターが、それぞれ力を発揮しました。
直近の数年はインデックスに有利な相場が続いてきました。
ただ、この流れがいつまで続くか、次にどちらの局面が来るかは、プロでも予想できません。
過去の成績が将来も続くとは限らない、という前提で見ておくことが大切です。



直近5年だけを見ると「インデックス一択」に見えますが、10年で見ると景色が変わります。相場の主役はこれまでも何度も入れ替わってきたので、どちらかに決め打ちしない、という考え方にも意味があります。
コストの差を金額で比べる
信託報酬の差は年間でいくらになるか
信託報酬の差を、100万円を1年間持った場合の金額で比べてみます。
| 信託報酬(年率) | 100万円あたりの年間コスト | |
|---|---|---|
| オール・カントリー | 0.05775% | 約578円 |
| キャピタル世界株式(DC) | 1.085% | 約10,850円 |
| テンバガー・ハンター(B) | 1.65% | 約16,500円 |
1年で見ると、オール・カントリーとの差は約1万〜1万6,000円です。
ただ、積立では保有額が年々大きくなるので、この差も少しずつ膨らんでいきます。
テンバガー・ハンターは、これに加えて購入時手数料がかかる場合があります。
20年間積み立てた場合の試算
毎月3万円を20年間積み立てた場合を試算します。
毎月の積立額:3万円(20年間で元本720万円)
信託報酬を差し引く前の運用利回り:3本とも年5%で同じと仮定
信託報酬:オール・カントリー年0.05775%、キャピタル世界株式(DC)年1.085%、テンバガー・ハンター(B)年1.65%
月ごとの複利で計算し、購入時手数料はかからないものとする。税金はNISAのため考慮しない
| ファンド | 積立元本 | 20年後の評価額(試算) | オール・カントリーとの差 |
|---|---|---|---|
| オール・カントリー | 720万円 | 約1,225万円 | なし |
| キャピタル世界株式(DC) | 720万円 | 約1,090万円 | 約135万円 |
| テンバガー・ハンター(B) | 720万円 | 約1,023万円 | 約201万円 |
運用の成績がまったく同じでも、信託報酬の差だけで、20年後には135万〜201万円の差がつく計算です。
テンバガー・ハンターを購入時手数料3.3%の販売会社で買った場合は、評価額が約991万円となり、差はさらに30万円ほど広がります。
アクティブに求められる「上乗せ」
言い換えると、アクティブ型を選ぶ場合は、この差を取り返すだけの成績が必要です。
今回の3本なら、キャピタル世界株式ファンドは年1%程度、テンバガー・ハンターは年1.6%程度、インデックスを上回り続けて、ようやく同じ結果になります。
実際、キャピタル世界株式ファンドは運用の腕では指数に勝っていましたが、10年通算ではコストの分だけ届きませんでした。
アクティブを持つということは、「年1%以上のコストを払ってでも、運用者の目利きに期待する」という選択だと考えるとわかりやすいでしょう。



同じ商品でも、どの版を選ぶか、どこで買うかで結果が変わる点は見落とされがちです。キャピタルならDC年金つみたて専用版、テンバガー・ハンターなら購入時手数料のかからない販売会社を選ぶだけで、差はかなり縮まります。
コア・サテライトという組み合わせ方
土台はインデックス、上乗せにアクティブ
インデックスとアクティブのどちらかを選ぶのではなく、役割を分けて両方持つ方法があります。
それが「コア・サテライト」という考え方です。
- コア(土台)
資産の中心となる部分です。低コストのインデックスファンドで、市場の平均的なリターンを着実に取りにいきます。 - サテライト(上乗せ)
コアの周りに置く部分です。アクティブファンドで、市場平均を上回るリターンを狙います。指数とは違う運用を取り入れることで、相場の主役が入れ替わったときへの備えにもなります。
土台がしっかりしていれば、サテライトの成績が振るわない時期があっても、全体への影響は限られます。
サテライトは「中身の違い」で選ぶ
コア・サテライトの効果は、コアとサテライトの中身が違うほど大きくなります。
中身が似たファンドを組み合わせても、同じように上がり、同じように下がるだけだからです。
オール・カントリーを8割、アクティブを2割にした場合の成績を、2022〜2025年で比べてみます。
| 年 | オール・カントリー100% | オール・カントリー8:キャピタル2 | オール・カントリー8:テンバガー2 |
|---|---|---|---|
| 2022年 | -5.58% | -7.40% | -3.77% |
| 2023年 | +30.42% | +30.52% | +29.91% |
| 2024年 | +32.48% | +32.24% | +29.17% |
| 2025年 | +20.51% | +19.99% | +19.36% |
| 4年間の累計 | +96.6% | +91.8% | +92.7% |
各年の初めに8:2の比率に戻す前提で、年ごとのリターンから計算した概算です。
キャピタル世界株式ファンドを組み合わせると、2022年の下落はオール・カントリー単独よりも大きくなりました。
中身が似ているため、下落の場面でも一緒に下がりやすいのです。
一方、テンバガー・ハンターを組み合わせると、2022年の下落は-5.58%から-3.77%に抑えられました。
中身が異なるファンドを組み合わせると、下落の場面で値動きをならす効果が期待できます。
ただし、この4年間の累計では、オール・カントリー単独がいちばん高い結果でした。
コア・サテライトは「リターンを必ず上げる方法」ではなく、「どの局面が来ても大きく後悔しない持ち方」と考えるのが正確です。
比率の目安
比率に決まった正解はありません。
「コストをどこまで払って、運用者に期待するか」で選ぶのが基本です。
| 比率(オール・カントリー:アクティブ) | 向いている人 | 平均コスト(キャピタルの場合) | 平均コスト(テンバガーの場合) |
|---|---|---|---|
| 10:0 | コストを最優先にしたい人 | 約0.06% | 約0.06% |
| 8:2 | 基本は低コストで、一部をプロの選別に任せたい人 | 約0.26% | 約0.38% |
| 5:5 | 市場平均と運用者の目利き、両方にバランスよく期待したい人 | 約0.57% | 約0.85% |
平均コストは信託報酬の年率の目安です。
5:5にしても、全体の平均コストはアクティブだけを持つ場合のほぼ半分になります。



中身の違うファンドを組み合わせる、というのは、コア・サテライトでいちばん大事なポイントです。サテライトを選ぶときは、成績の良さだけでなく「オルカンと何が違うか」も見てみてください。
組み合わせるときの3つの注意点
コア・サテライトで組み合わせる前に、次の3つを確認しておきましょう。
① NISAの枠を使い分ける
今回の3本は、NISAで買える枠がそれぞれ異なります。
キャピタル世界株式ファンド(DC年金つみたて専用)はつみたて投資枠のみ、テンバガー・ハンターは成長投資枠のみです。
たとえば月3万円を8:2で積み立てる場合、次のように設定します。
- オール・カントリーとキャピタル世界株式ファンドの場合
つみたて投資枠で、オール・カントリー2万4,000円、キャピタル世界株式ファンド6,000円を積み立てます。 - オール・カントリーとテンバガー・ハンターの場合
つみたて投資枠でオール・カントリー2万4,000円、成長投資枠でテンバガー・ハンター6,000円を積み立てます。
つみたて投資枠は年120万円、成長投資枠は年240万円まで使えるので、月3万円なら枠が足りなくなる心配はありません。
② 購入時手数料を確認する
テンバガー・ハンターは、販売会社によって購入時手数料が異なります。
購入時手数料が3.3%の場合、6,000円を積み立てるたびに約190円が手数料として差し引かれます。
同じファンドでも、手数料がかからない販売会社で買えば、この負担はなくなります。
積立を始める前に、自分の口座のある証券会社での手数料を確認しておきましょう。
③ 定期的に成績を見直す
年に1回程度、組み合わせたファンドの成績を並べて確認しましょう。
1年の成績だけで判断せず、数年単位で市場平均を大きく下回る状態が続くようなら、比率を下げることも検討します。
見直しは、売却ではなく毎月の積立配分を変える形で行うと、非課税枠を無駄にせずに済みます。



組み合わせで大事なのは、「なぜこのファンドを、この比率にしたか」を自分で説明できることです。理由がはっきりしていれば、相場が荒れたときにも慌てずに済みます。
まとめ
この記事のポイント
- NISAは2つの枠を組み合わせて使える
つみたて投資枠は長期の積立向けに絞られた商品、成長投資枠はより幅広い商品から選べ、どちらでも積立ができます。 - インデックスとアクティブには、それぞれ強い時期がある
過去10年では、前半はキャピタル世界株式ファンド、後半は全世界株式が上回り、通算ではほぼ互角でした。2022年の下落局面では、テンバガー・ハンターが唯一プラスを確保しました。 - コストの差は確実に効いてくる
アクティブだけで20年積み立てると、試算では135万〜201万円の差になります。どの版を選ぶか、どこで買うかでも差は変わります。 - コア・サテライトは「中身の違い」で組み合わせる
土台はインデックスで固め、上乗せ部分にはオルカンと中身の異なるアクティブを選ぶと、値動きをならす効果が期待できます。
積立を始める前に
積立は、始めることよりも続けることのほうが難しいものです。
下落した時期に積立をやめてしまうと、安い価格で多く買えるという積立のメリットを生かせません。
自分が納得できる商品と比率を選んでおくことが、長く続けるためのいちばんの支えになります。
なお、この記事の信託報酬や成績は2026年9月時点で確認したものです。
実際に購入する前には、証券会社のページや目論見書で最新の情報を確認してください。



どの組み合わせを選んでも、20年続ければ大きな力になります。まずは無理のない金額で始めて、慣れてきたら配分を見直していきましょう。






