【30代会社員必見】iDeCo(イデコ)のメリット・デメリットを徹底解説!老後不安をなくす賢い始め方

「老後2000万円問題なんて言われるけれど、今の貯金だけで大丈夫だろうか……」

「将来のために何か始めなきゃいけないのは分かっているけど、投資は怖いし、何から手を付ければいいのか分からない」

毎日忙しく働いている30代の会社員の方から、このようなご相談をよくいただきます。漠然とした不安を抱えながらも、目の前の仕事や生活に追われて後回しになってしまうお気持ち、とてもよく分かります。

しかし、ご安心ください。国が用意した「iDeCo(イデコ)」という制度を正しく活用すれば、税金を安くしながら、着実に老後資金を作ることが可能です。

この記事では、私たち「マネー相談室」が、FP(ファイナンシャルプランナー)の視点から、iDeCoの仕組みやメリット・デメリットを分かりやすく解説します。専門用語はできるだけ使わず、明日からどう行動すればいいか具体的にお話ししますので、ぜひ最後までお付き合いください。

目次

iDeCoとは?仕組みを基礎から解説

iDeCo(個人型確定拠出年金)という名前は聞いたことがあっても、中身がいまいち分からないという方は多いですよね。一言で言えば、iDeCoは「自分で作って、自分で育てる、もうひとつの年金」です。

自分で育てる「じぶん年金」の仕組み

公的年金(国民年金や厚生年金)は、国が管理して将来私たちに給付してくれます。これに対し、iDeCoは以下のような流れで自分で行います。

  1. 出す:毎月一定の掛金を積み立てる
  2. 増やす:定期預金や投資信託など、好きな商品を選んで運用する
  3. 受け取る:60歳以降に、積み立てたお金と運用益を受け取る

「ただの積立貯金と何が違うの?」と思われるかもしれませんが、最大の違いは「国が税金を優遇してくれる」という点です。「老後の生活費を自分で準備するなら、その分税金を安くしますよ」という、国からの強力なバックアップがある制度なのです。

なぜ30代会社員にiDeCoが必要?

30代は、結婚、出産、住宅購入などライフイベントが重なる時期ですが、実は「老後資金作りを始めるのにベストなタイミング」でもあります。

理由はシンプルで、「時間」を味方にできるからです。少額ずつでも長い期間(20年〜30年)運用することで、複利効果(利子が利子を生む効果)が働き、資産が大きく育つ可能性が高まります。

30代から開始でいくら貯まる?節税は?

では、実際に30代の会社員の方がiDeCoを始めると、どれくらいの効果があるのでしょうか。具体的な数字で見てみましょう。

月2.3万円で資産はどう増える?

会社員(企業年金なし)の場合、iDeCoの掛金上限は月額23,000円です。これを30歳から60歳までの30年間、毎月積み立てて、年利3%・5%で運用できた場合のシミュレーションです。

運用パターン 積立元本 運用益 60歳時点の資産合計
預金のみ(0.01%) 828万円 約1万円 約829万円
運用 3% 828万円 約509万円 約1,337万円
運用 5% 828万円 約1,070万円 約1,898万円

※上記はシミュレーションであり、将来の運用成果を保証するものではありません。手数料等は考慮していません。

いかがでしょうか。預金だけではほとんど増えませんが、長期で運用することで、元本の倍近くまで増える可能性があるのです。

年収500万ならいくら戻る?

iDeCoのもう一つの凄さは、「掛金が全額所得控除になる」ことです。つまり、積み立てた分だけ年収(課税所得)が低いとみなされ、所得税と住民税が安くなります。

【条件:年収500万円、30歳、掛金月2.3万円の場合】

節税の種類 年間の節税額 30年間の節税総額
所得税(10%) 27,600円 約165万円
住民税(10%) 27,600円
合計 55,200円

なんと、運用益が出なくても、ただ積み立てるだけで年間5万円以上、30年で約165万円も「確実にお得」になります。これだけの利回りが確定している金融商品は他にはありません。

FPが本音で解説!メリット・デメリット

ここまで良い面を中心にお伝えしましたが、FPとして公平な視点で「デメリット」もしっかりお伝えしなければなりません。メリットとデメリットを天秤にかけて判断することが大切です。

FP推奨!3つの強力なメリット

  1. 掛金が全額「所得控除」になる:先ほどのシミュレーションの通り、毎年の税金が安くなります。働いている現役世代にとって、即効性のある最大のメリットです。
  2. 運用益が「非課税」になる:通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかりますが、iDeCoならこれが0円になります。増えた分をまるごと受け取れます。
  3. 受け取る時も「控除」が使える:60歳以降に受け取る際も、「退職金扱い」や「公的年金扱い」として、税金の優遇措置が受けられます。

注意!知っておくべきデメリット

一方で、以下の点には注意が必要です。

  • 原則60歳まで引き出せない(資金ロック):これが最大のデメリットです。iDeCoはあくまで「老後資金」なので、途中で家を買いたい、子供の教育費が必要といった理由でも解約・引き出しができません。
  • 口座管理手数料がかかる:iDeCo専用の口座を持つため、金融機関によっては毎月数百円の手数料がかかる場合があります(※ネット証券などを選べば最低額に抑えられます)。

新NISAとの使い分けと掛金設定のコツ

「新NISAも話題だけど、どっちをやればいいの?」という疑問もよくいただきます。マネー相談室としての回答は、「目的による使い分け」です。

新NISAとどっちを優先すべき?

両方やるのが理想ですが、予算が限られている場合は以下を基準に考えてみてください。

  • 【iDeCo】を優先すべき人:「60歳まで絶対に使わないお金」として割り切れる人。とにかく節税したい人。強制的に貯金できないと使ってしまう人。
  • 【新NISA】を優先すべき人:数年以内に結婚や住宅購入などの出費がある人。万が一のときにいつでも現金化できるようにしておきたい人。

30代の方は、まずは生活防衛資金(生活費の3〜6ヶ月分)を確保した上で、iDeCoには「無理のない金額」を設定するのが鉄則です。

無理のない掛金設定と金融機関選び

iDeCoは月額5,000円から始められます。「上限までやらなきゃ」と気負わず、最初は月1万円程度からスタートし、余裕ができたら増額するという方法もおすすめです(金額変更は年1回可能です)。

また、金融機関選びも重要です。長い付き合いになるので、以下の2点を満たすところを選びましょう。

  • 運営管理手数料が最安(月額171円)であること
  • 低コストで優秀な投資信託(インデックスファンド)の取り扱いがあること

具体的には、SBI証券や楽天証券などの主要ネット証券であれば、この条件を満たしており間違いありません。

まとめ:今日から安心できる老後を作る

iDeCoは、「税金を減らしながら」「強制的に」「効率よく」老後資金を作るための最強のツールです。

60歳まで引き出せないという「拘束力」は、見方を変えれば「確実に老後資金が残る」という安心感にもつながります。30代の今から始めれば、毎月の負担を抑えながら、十分な資産を築くことができます。

「難しそう……」と悩んでいる時間はもったいないです。まずは、ネット証券などの金融機関から資料請求(無料)をすることから始めてみませんか?

その小さな一歩が、数十年後のあなたを支える大きな安心につながるはずです。

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この記事を書いた人

本サイトを運営している現役FP

■経歴■
保険代理店で10年以上活動し2,000世帯以上とFP相談を行うも手数料ビジネスに嫌気がさし、FIREの実現を機に独立。

商品を販売しない自由なFPとして、自分が本当に伝えたいことを「わがまま」に遠慮なく有益な情報をお届け!

■保有資格■
-FP1級技能士
-CFP®
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-宅地建物取引士
-中小企業診断士
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