ファイナンシャルプランナー(FP)の目線から結論を先にお伝えすると、金(ゴールド)は「お金を大きく増やすための資産」ではなく、「今ある資産を守るための最強の保険」です。
近年、世界的なインフレや地政学リスク(戦争や紛争など)の高まりを受けて最高値を更新するなど注目されていますが、全財産を注ぎ込むような性格の投資先ではありません。
資産の一部に組み込むべき理由と、その注意点をプロの視点で分かりやすく整理します。
金投資のメリット・デメリット
金が他の資産(株式や債券など)と決定的に違うのは、「金そのものに価値がある(実物資産)」という点です。 項目 メリット(守りの強さ) デメリット(増えにくさ) 利息・配当 なし(インカムゲインは生まない) なし(持っているだけでは増えない) インフレ対策 物価が上がると、金の価値も上がる傾向 短期的な値動きが大きく、元本保証はない 有事の備え 「有事の金」と言われ、世界危機に強い ドル建てが基本なため、為替リスクがある よく投資の世界で使われる「エクスターのピラミッド(リスクの逆三角形)」という概念があります。 この図が示すように、上の層にあるデリバティブや株式、さらには政府が発行する紙幣(法定通貨)さえも、最悪のシナリオでは価値が大きく下がる(またはゼロになる)リスクをはらんでいます。しかし、一番尖った底辺に位置するゴールドは、数千年の歴史の中で一度も価値がゼロになったことがない「究極の安全資産」として扱われているのです。
FPが推奨する「金の持ち方・買い方」
もしあなたがこれから金投資を始めるなら、FPとして次の2つのルールを提案します。
1. 投資割合は「総資産の5%から10%」まで
金は何も生まない(利息がつかない)ため、多すぎると資産全体の成長スピードが鈍ってしまいます。株式や投資信託(オルカンやS&P500など)をメインの「攻め」とし、金は全体の5〜10%程度を「守りのスパイス」として持つのがベストなバランスです。
2. 自分に合った買い方を選ぶ
初心者におすすめなのは、手軽に始められる次の2つの方法です。
- 純金積立(じゅんきんつみたて)
- 特徴: 毎月1,000円など決まった金額でコツコツ自動で買い付ける方法です。
- メリット: 「ドル・コスト平均法」が働くため、価格が高いときは少なく、安いときは多く買うことになり、購入単価を平準化できます。
- 金ETF(上場投資信託)
- 特徴: 証券口座を通じて、株と同じようにリアルタイムで金を売買します。
- メリット: 手数料が最も安く、管理の手間がかかりません。
FPからのアドバイス
「これからインフレがもっと進むかも」「今のうちに資産を分散して守りを固めたい」と考えているなら、少額からでも金をポートフォリオ(資産の組み合わせ)に加える価値は十分にあります。逆に「一発当てて大儲けしたい!」という目的であれば、金は不向きです。