相続税の計算方法は?3つのステップでFPがわかりやすく解説!

相続税の計算は、一見複雑に見えますが、大きく分けて「3つのステップ」で進めるのが一般的です。

2025年(令和7年)現在の最新税制に基づいた計算の流れを、順を追って解説します。

目次

STEP 1:正味の遺産額を計算する

まずは、亡くなった人(被相続人)の財産をすべて洗い出し、課税対象となる金額を確定させます。

  • プラスの財産:現金、預貯金、不動産、有価証券など
  • みなし相続財産:生命保険金、死亡退職金(※「500万円 × 法定相続人の数」までは非課税)
  • 差し引けるもの:借入金、未払金、葬儀費用
  • 加算されるもの
    • 生前贈与(持ち戻し):亡くなる前の一定期間(現在は3年〜7年へ段階的に延長中)に行われた贈与

【計算式】

正味の遺産額 = (プラスの財産 + みなし財産) - (非課税枠 + 負債・葬儀費用) + 生前贈与加算

STEP 2:基礎控除を差し引く

正味の遺産額が、国が決めている「非課税枠(基礎控除額)」を超えている場合にのみ、相続税がかかります。

基礎控除額の計算式

3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)

例:法定相続人が3人(配偶者と子2人)の場合
3,000万円 + (600万円 × 3人) = 4,800万円
→ 遺産が4,800万円以下なら、相続税はかかりません。

STEP 3:相続税の総額を出し、各自の納税額に分ける

日本の相続税は、「もし法定相続分通りに分けたとしたら」という仮定で税額の合計(総額)を出すのが最大の特徴です。

1. 法定相続分で仮計算する

課税対象額を、法定相続分(配偶者1/2、子1/4など)で分けたと仮定し、以下の「速算表」にあてはめます。

相続税の速算表(2025年現在)

法定相続分に応じた取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

2. 全員の仮の税額を合計し、「相続税の総額」を出す

各人の仮の税額を合計したものが、その家族全体で納めるべき「相続税の総額」となります。

3. 実際の相続割合で分け、税額控除を適用する

最後に、その総額を実際の財産取得割合で按分します。ここで「配偶者の税額軽減(1.6億円まで非課税など)」を適用し、最終的な各人の納税額が決まります。


まとめ

  1. 遺産総額から負債を引き「正味の額」を把握する
  2. 「基礎控除」を引いて課税対象か判断する
  3. 「相続税の総額」を出してから、個人の納税額を計算する

まずはご自身のケースで、基礎控除がいくらになるかを確認することから始めてみてください。不安な場合は、専門家への相談も検討しましょう。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

本サイトを運営している現役FP

■経歴■
保険代理店で10年以上活動し2,000世帯以上とFP相談を行うも手数料ビジネスに嫌気がさし、FIREの実現を機に独立。

商品を販売しない自由なFPとして、自分が本当に伝えたいことを「わがまま」に遠慮なく有益な情報をお届け!

■保有資格■
-FP1級技能士
-CFP®
-証券外務員一種
-宅地建物取引士
-中小企業診断士
-貸金業務取扱主任者

詳しいプロフィールはこちらのリンクをご覧ください。

目次