【FP監修】ライフプランの作り方とは?資産形成で迷子にならない「夢の地図」

「とりあえずNISAを始めたいんですけど、どの銘柄がいいですか?」
「老後が心配なので、今のうちに切り詰めて貯金したいんです」

マネー相談室では、こうしたご相談を毎日のようにいただきます。将来のために行動しようとする姿勢、本当に素晴らしいです。

ですが、私はいつもこうお返ししています。
「商品を選ぶ前に、まずは人生の地図(ライフプラン)を描いてみませんか?」

地図を持たずに知らない森へ入っていくのは不安ですよね。資産形成も同じです。この記事では、お金の不安を消し去るための第一歩、「ライフプランの作り方」をわかりやすく解説します。

目次

なぜ資産運用より「計画」が先なのか

「計画なんて面倒くさい」「状況は変わるから意味がない」と思われるかもしれません。しかし、FPとして断言します。計画がない資産形成は、ゴールのないマラソンのようなものです。

お金はあくまで「ガソリン」

人生を「車の旅」に例えてみましょう。お金は、車を走らせるための「ガソリン」です。

行き先(目的)が決まっていないのに、「とりあえずガソリンを満タンにしなきゃ!」と焦ってガソリンスタンドに並ぶのは効率が悪いですよね。近所のスーパーに行くだけなら少しでいいですし、日本一周するならたくさん必要です。

「どこに行きたいか」が決まって初めて、「いくら必要か(=どのくらい投資・貯蓄すべきか)」が決まるのです。

目的がないと途中で挫折する

目的があやふやなまま「なんとなく」で貯蓄や投資を始めると、株価が暴落したときに「もう怖いからやめよう」とすぐに挫折してしまいます。

しかし、「10年後の子供の留学費用のために」という明確な目的があれば、一時的な変動に動じずに続けることができます。ライフプランは、あなたの心を支えるアンカー(錨)になるのです。

実践!ライフプランを作る3ステップ

それでは、実際にライフプランを作ってみましょう。専用のソフトは必要ありません。紙とペン、あるいはスマホのメモ帳があれば十分です。

①「やりたいこと」を書き出す

まずは、予算や実現可能性を一切無視して、「やりたいことリスト」を書き出してください。

「35歳で結婚したい」「年に1回はハワイに行きたい」「海の見える家で犬を飼いたい」「60歳で早期リタイアしてカフェを開きたい」。どんな小さなことでも、大きな夢でも構いません。ワクワクする気持ちを大切にしてください。

②時期を決めて「年表」にする

次に、書き出した夢に「時期」を入れて、横軸に年齢を書いた年表に落とし込みます。

  • 2026年(30歳):結婚する
  • 2028年(32歳):第一子出産
  • 2030年(34歳):マイホーム購入
  • 2035年(39歳):家族でヨーロッパ旅行

自分だけでなく、家族の年齢も書き添えると、よりイメージが具体的になります。

③必要な「金額」を見積もる

最後に、それぞれのイベントに「値札」をつけます。正確でなくて構いません。インターネットで「結婚式 相場」「ヨーロッパ旅行 4人 費用」と検索して、ざっくりとした数字を記入しましょう。

これで、「いつ・何のために・いくら必要か」という、あなただけの人生の地図が完成します。

人生の3大資金と費用の目安

ライフプランを作る際、特に大きな出費となるのが「人生の3大資金」です。見積もりの参考になるよう、目安をまとめました。

住宅・教育・老後のリアル

資金の種類 費用の目安とポイント
住宅資金 3,000万〜6,000万円
物件価格だけでなく、維持費や修繕費、固定資産税も考慮が必要です。賃貸の場合は一生分の家賃をイメージします。
教育資金 子供1人あたり約1,000万円
すべて公立なら約1,000万円、すべて私立なら約2,500万円。特に大学費用(400万〜)の準備が山場です。
老後資金 2,000万円〜
公的年金で足りない生活費の補填分です。ゆとりある生活(旅行や趣味)を望むなら、さらに上乗せが必要です。

「楽しみ」の予算も忘れずに

3大資金ばかりに気を取られると、息が詰まるような節約計画になってしまいます。

ファイナンシャルウェルビーイングの観点では、「楽しみのための資金」も非常に重要です。「10年ごとの車の買い替え(300万円)」「推し活費用(年間10万円)」など、あなたの心が豊かになる出費もしっかり計画に組み込みましょう。

夢とお金のバランスが取れない時は?

いざ計算してみると、「今の収入じゃ全然足りない!赤字だ!」と青ざめることがあるかもしれません。でも、ここで諦めないでください。

優先順位をつける勇気

すべての夢を同時に叶えるのは、どんな大富豪でも難しいものです。「マイホームは絶対に譲れないけれど、車はカーシェアでもいいかな」「結婚式は派手にやりたいから、新婚旅行は近場にしよう」

こうして優先順位をつけることこそが、ライフプランニングの本質です。何かを捨てることは、本当に大切なものを選ぶことでもあります。

プランは修正して当たり前

作成したライフプランは、一度決めたら変えられない契約書ではありません。天気予報のように、状況が変われば修正すればいいのです。

「子供がもう一人欲しくなった」「転職して収入が変わった」。そんな時は、また地図を書き直しましょう。「修正できる」と知っているだけで、将来への不安は大きく減ります。

まとめ

今回は、資産形成の土台となる「ライフプランの作り方」についてお話ししました。

頭の中で「なんとなく不安だな」と考えているだけでは、お化け屋敷のように恐怖ばかりが膨らんでしまいます。しかし、紙に書き出して「数字」にした瞬間、それは「対策可能な課題」に変わります。

今週末、お気に入りのカフェでコーヒーでも飲みながら、あなたの「夢の地図」を描いてみませんか?もし「一人ではうまく描けない」「プロの意見を聞きながら調整したい」と思ったら、いつでもマネー相談室へお越しください。

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この記事を書いた人

本サイトを運営している現役FP

■経歴■
保険代理店で10年以上活動し2,000世帯以上とFP相談を行うも手数料ビジネスに嫌気がさし、FIREの実現を機に独立。

商品を販売しない自由なFPとして、自分が本当に伝えたいことを「わがまま」に遠慮なく有益な情報をお届け!

■保有資格■
-FP1級技能士
-CFP®
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-宅地建物取引士
-中小企業診断士
-貸金業務取扱主任者

詳しいプロフィールはこちらのリンクをご覧ください。

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