教育費は総額でいくらかかる?進路別の最新シミュレーションと準備のポイント

子育て世帯にとって、将来の教育資金をどのように準備するかは避けて通れない課題です。教育費の総額は、子供がどのような進路を歩むかによって大きく変動します。幼稚園から大学卒業までの22年間で、すべて公立に通った場合とすべて私立に通った場合では、1,000万円以上の開きが生じることも珍しくありません。

2026年現在の最新状況を踏まえると、物価高の影響による学用品の値上がりや、塾代の上昇なども考慮する必要があります。まずは、文部科学省のデータを基に、幼稚園から高校卒業までにかかる平均的な学習費の総額から確認していきましょう。

目次

【進路別】幼稚園から高校卒業までにかかる教育費の総額

以下の表は、幼稚園から高校卒業までの各ステージにおける学習費の平均総額をまとめたものです。すべて公立の場合とすべて私立の場合では、小学校の6年間で最も大きな差が開くことがわかります。私立小学校は学費そのものに加え、学校外での活動費も公立に比べて高くなる傾向にあります。

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区分すべて公立の場合すべて私立の場合
幼稚園(3年間)約55万円約100万円
小学校(6年間)約200万円約1,100万円
中学校(3年間)約160万円約470万円
高校(3年間)約180万円約310万円

【最新調査】学校教育費・給食費・学校外活動費の内訳

文部科学省が公表した「令和5年度(2023年度)子供の学習費調査」では、家計が負担する教育費のリアルな内訳が示されました。この調査では、学習費が「学校教育費」「学校給食費」「学校外活動費」の3つに分類されています。

公立・私立別の子ども1人あたりの年間費用詳細

以下の表は、1人あたりの年間平均額を費目別にまとめたものです。公立小学校では学校外活動費、つまり塾や習い事への支出が学校教育費の2倍以上となっており、家庭での学習支援に多くの予算が割かれていることがわかります。

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学校区分学校教育費学校給食費学校外活動費合計額
公立幼稚園69,362円15,235円100,049円184,646円
私立幼稚園154,062円35,741円157,535円347,338円
公立小学校81,753円38,405円216,107円336,265円
私立小学校1,054,083円53,601円720,428円1,828,112円
公立中学校150,747円35,667円356,061円542,475円
私立中学校1,128,061円9,317円422,981円1,560,359円
公立高校351,452円0円246,300円597,752円
私立高校766,490円0円263,793円1,030,283円

費目別の具体的な内容

学校教育費
授業料、入学金、施設整備費のほか、修学旅行費やICT端末の購入費、制服代などが含まれます。

学校給食費
学校から提供される給食の材料費や運営にかかる費用を指します。

学校外活動費
学習塾や家庭教師の費用のほか、スポーツや芸術などの習い事、体験活動にかかる費用です。

大学進学で必要となる学費の目安

高校卒業後の進路として最も多くの割合を占める大学進学は、教育資金準備における最大の山場といえます。国立大学の場合は4年間で約243万円程度となりますが、私立大学の場合は文系で約400万円以上、理系では550万円を超えることも珍しくありません。

東京大学(国公立)

これまで国立大学の授業料は一律「535,800円」が標準でしたが、東大は教育環境改善のため、2025年度入学者から上限の20%増額に踏み切りました。

入学金: 282,000円(据え置き)
年間授業料: 642,960円(旧:535,800円)
4年間の総額目安: 約285万円

※注意点: 在学生(2024年度以前の入学者)は旧授業料のまま卒業まで据え置かれます。

慶應義塾大学(私立)

私立大学は学部によって設備費や実験実習費が異なるため、文系・理系・医系で大きく異なります。

文系(文・法・経・商)
 初年度:約147万円
 2年目以降:約127万円
 4年間の総額目安:約528万円

(東大との差:約+243万円)

理系(理工学部)
 初年度:約203万円
 2年目以降:約183万円
 4年間の総額目安:約752万円

(東大との差:約+467万円)

医学部(6年間)
 初年度:約394万円
 6年間の総額目安:約2,260万円

また、自宅外から通学する場合の仕送りや家賃といった生活費も、学費と同じかそれ以上に大きな負担となります。2025年度から拡充された「多子世帯の大学無償化」制度など、最新の支援制度を把握し、公的支援を最大限に活用する計画的な準備が求められます。

【ケース別シミュレーション】卒業までの総額推移

実際に、幼稚園から大学卒業までの22年間をシミュレーションしてみましょう。「すべて公立・国立大学に進学」したケースと、「小学校のみ公立で中学から私立へ進学」したケースでは、負担のタイミングも大きく異なります。

パターンA:すべて公立・国立大学に進学する場合

幼稚園から高校までを公立、大学を国立とした場合の総額は約842.1万円です。このルートの最大の特徴は、月々の負担が比較的緩やかであることです。最大の支出ピークは大学入学時となるため、小学校から中学校の時期にかけて、大学資金として毎月コツコツと積み立てを行うことが有効な戦略となります。

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教育ステージ通学期間年間平均(総額)期間内の合計額
公立幼稚園3年間約18.5万円約55.5万円
公立小学校6年間約33.6万円約201.6万円
公立中学校3年間約54.2万円約162.6万円
公立高校3年間約59.8万円約179.4万円
国立大学4年間約60.8万円約243.0万円
総額約842.1万円

パターンB:中学受験を経て私立中高一貫校へ進学する場合

小学校のみ公立で、それ以外を私立(大学は文系)とした場合の総額は約1,591.1万円に達します。この金額には小学校4年生から6年生にかけての通塾費用も含まれています。このパターンでは、小学校高学年から中学入学にかけて最初の大きな出費が訪れます。

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教育ステージ通学期間年間平均(総額)期間内の合計額
私立幼稚園3年間約34.7万円約104.1万円
公立小学校(※塾代含)6年間約50.0万円約300.0万円
私立中学校3年間約156.0万円約468.0万円
私立高校3年間約103.0万円約309.0万円
私立大学(文系)4年間約102.5万円約410.0万円
総額約1,591.1万円

効率的に教育資金を準備するための戦略

教育費の総額が把握できたら、次は「いつまでに、どうやって貯めるか」という具体的な対策が必要です。2026年現在は、従来の学資保険だけでなく、税制優遇制度や公的な支援策が多層化しています。

NISA(新つみたて投資枠)の活用
運用益が非課税になるメリットを活かし、大学入学時など10年以上の準備期間がある資金作りに適しています。

公的支援制度の把握
高校授業料の実質無償化や多子世帯の大学授業料減免など、最新の制度変更を逃さずチェックしましょう。

一括贈与非課税制度の検討
祖父母等から教育資金の援助を受けられる場合、最大1,500万円までの非課税枠の活用が有効な選択肢となります。

まとめ:教育費の準備は「早期のシミュレーション」が鍵

教育費は住宅資金や老後資金と並ぶ「人生の三大資金」の一つですが、唯一、必要となる時期が明確に決まっているという特徴があります。子供の成長に合わせて支出は確実に増えていきますが、早い段階で公立・私立の進路に応じたシミュレーションを行い、適切な制度を組み合わせて準備を開始すれば、決して恐れる必要はありません。本記事で紹介した最新のデータを参考に、まずはご家庭に最適な資金計画を立てることから始めてみてください。

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この記事を書いた人

本サイトを運営している現役FP

■経歴■
保険代理店で10年以上活動し2,000世帯以上とFP相談を行うも手数料ビジネスに嫌気がさし、FIREの実現を機に独立。

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