サラリーマン必見!ワンルームマンション投資のメリット・デメリットとシミュレーション解説

『将来の年金が不安だから不動産投資を始めませんか?』

サラリーマンなら、一度はそんな営業トークを受けたことがあるのではないでしょうか。

なかでもワンルームマンション投資は、少額から始めやすいことから初心者に人気ですが、メリットの裏には大きなリスクも潜んでいます。

本記事では、ワンルームマンション投資の仕組みやメリット・デメリットを整理したうえで、新築2,000万円・フルローンを想定したシミュレーションも紹介します。

これから投資を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

この記事で分かること

ワンルームマンション投資を勧められる背景

投資の仕組みとリスクのポイント

メリットとデメリットの具体例

新築物件のシミュレーション(2,000万円・フルローン)

投資前に考えるべき判断基準

目次

ワンルームマンション投資って本当に儲かるの?

サラリーマンの方にとって「将来の年金が不安だから不動産投資を始めませんか?」といった営業トークは一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

特にワンルームマンション投資は、少額から始められることやローンを組んでレバレッジを効かせられることから、金融機関や不動産会社が積極的に提案してくる商品です。

しかし、本当に「不労所得」や「老後資金対策」として有効なのかは冷静に見極める必要があります。

ここでは、まずサラリーマンがワンルームマンション投資を勧められる背景を整理し、甘い言葉に潜む注意点を解説していきます。

サラリーマンが投資を勧められる背景

30代という年代は、社会人としてのキャリアも安定し始め、一定の年収や信用力がついてくる時期です。

そのため銀行からローンを借りやすく、不動産会社にとって「融資が通りやすい優良な顧客」と見なされます。

さらに独身または子育て初期の家庭であれば、まだ住宅ローンを組んでいない人も多く、投資用ローンの提案がしやすいのです。

営業マンが「年金の代わりになりますよ」「将来は家賃収入で悠々自適」とアピールしてくるのもこのタイミング。

30代は資産形成に関心を持ち始める世代であり、将来不安を刺激する営業手法がはまってしまうケースが多いのです。

「将来の年金対策」や「不労所得」という甘い言葉に注意

ワンルームマンション投資の営業トークでよく使われるフレーズが「将来の年金対策」と「不労所得」です。

確かに家賃収入が安定して入れば、老後の年金に上乗せできる収入源となるでしょう。

しかし現実には、空室リスクや修繕費、ローン返済などを差し引くと、手元に残るキャッシュは想像以上に少ない場合があります。

また「不労所得」と言っても、実際には入居者対応や管理会社とのやり取り、確定申告などの手間が発生します。

完全に放っておける収入ではなく、一定のリスクと管理コストが伴う点を忘れてはいけません。

営業トークの裏側を理解しておくことで、安易に契約するリスクを避けられるのです。

ワンルームマンション投資の仕組みを理解しよう

不動産投資と聞くと「家賃収入で安定した収益が得られる」というイメージが先行しがちですが、実際には仕組みを正しく理解していないとリスクを見落としやすくなります。

ワンルームマンション投資は「新築と中古」「家賃収入とローン返済」「売却益を狙うか長期保有か」といった観点で考える必要があります。

ここでは初心者の方でもイメージできるよう、投資の基本的な仕組みを整理していきましょう。

新築と中古、どう違う?

ワンルームマンション投資には「新築」と「中古」の2つの選択肢があります。

新築マンションは最新の設備やデザインで入居者に選ばれやすく、初期の空室リスクが低いのが特徴です。

しかし一方で「新築プレミアム」と呼ばれる割高な価格がついており、購入直後に市場価格が大きく下がる傾向があります。

一方、中古マンションは新築より価格が安く、利回りが高めに設定できるのが魅力です。

ただし築年数が進むと修繕費が増えたり、入居者募集に苦労するリスクもあります。

どちらを選ぶにしても「メリットとデメリットのバランス」を理解してから判断することが大切です。

家賃収入とローン返済の関係

ワンルームマンション投資の基本的な収益構造は「家賃収入からローン返済や諸費用を差し引き、残った分が利益」という仕組みです。

例えば月8万円の家賃収入があるとしましょう。

そこからローン返済6万円、管理費・修繕積立金1万円、不動産管理会社への手数料5,000円を引くと、手元に残るのはわずか5,000円ほどになることもあります。

営業マンは「家賃収入がローンを返済してくれるから実質タダでマンションが手に入る」と説明することがありますが、実際には細かなコストが積み重なり、キャッシュフローはほとんど残らないケースも多いのです。

売却益を狙う投資か?長期保有か?

ワンルームマンション投資には「値上がりしたら売却して利益を得る(キャピタルゲイン)」と「長期間保有して家賃収入を得る(インカムゲイン)」という2つの考え方があります。

しかし現実的には、ワンルームマンションの価格が大幅に上がることはまれです。

特に新築は購入直後に値下がりする傾向があるため、売却で利益を出すのは難しいのが実情です。

そのため、基本的には長期保有を前提とし、「家賃収入でローンを返済し、将来的にローン完済後の収益を狙う」という戦略が中心となります。

ただし長期的に家賃水準が下がっていくリスクや、大規模修繕費の負担などを想定しておく必要があります。

ワンルームマンション投資のメリット

ワンルームマンション投資は「サラリーマンでも始めやすい不動産投資」として人気があります。

その理由は、株式やFXのように日々の値動きを気にしなくてもよい点や、銀行ローンを活用することで少額から不動産オーナーになれる点にあります。

ここでは、初心者がまず知っておくべき3つの代表的なメリットを整理して解説します。

少額から始められる不動産投資

不動産投資と聞くと「何千万円もの自己資金が必要」とイメージする方も多いでしょう。

しかしワンルームマンションは物件価格が比較的低く、頭金ゼロや少額の自己資金でも始めやすいのが特徴です。

特に新築ワンルームの場合、価格は2,000万円前後が多く、会社員として一定の年収や勤続年数があればフルローンを組むことも可能です。

これにより、まとまった資産を持たなくても「不動産オーナー」という立場を手に入れることができます。

大規模なマンション一棟やアパート経営と比べ、ハードルが低いのは初心者にとって大きな魅力です。

銀行ローンを活用できるレバレッジ効果

ワンルームマンション投資の大きな特徴は「融資を使える」点です。

株式や投資信託は基本的に自己資金で運用しますが、不動産投資では金融機関から融資を受け、他人資本を使って資産を形成できます。

例えば2,000万円の物件を自己資金100万円+ローン1,900万円で購入すれば、実際には手元にほとんど資金がなくても資産を保有できることになります。

さらに、ローン返済の原資は入居者からの家賃収入です。

つまり「借金はあるが、返済は入居者が負担してくれる」という仕組みが成立します。

これがいわゆる「レバレッジ効果」であり、給与収入だけでは積み上げられない資産を効率的に築ける可能性があるのです。

節税効果や保険代わりの側面

ワンルームマンション投資には税制面でのメリットも存在します。

購入時のローン金利や減価償却費、管理費などは必要経費として計上できるため、確定申告によって所得税や住民税の節税につながることがあります。

また、団体信用生命保険(団信)に加入することで、オーナーに万が一のことがあった場合でもローン残債は保険で完済され、家族に借金のないマンションが残ります。

これは「生命保険の代わりになる」と説明されることも多いポイントです。

つまり、不動産投資は「節税しながら将来の家族への備えにもなる」という二重の役割を果たせる可能性があります。

ワンルームマンション投資のデメリット

ワンルームマンション投資には、サラリーマンでも取り組みやすいというメリットがある一方で、無視できないデメリットも存在します。

特に「空室リスク」「購入直後の値下がり」「金利や家賃の下落リスク」は、多くの初心者が見落としやすいポイントです。

ここでは、代表的な3つのデメリットをわかりやすく解説します。

空室リスクと修繕リスク

最も大きなリスクは「空室」になることです。

入居者がいなければ家賃収入が途絶え、ローン返済や管理費だけが出ていきます。

特にワンルームは単身者向けであり、入居期間が短い傾向にあるため、退去と入居の入れ替わりが頻繁に発生します。

仮に新築ワンルームマンションを2,000万円で購入し、自己資金ゼロ・35年ローンを組んだケースを想定してみます。金利は年2%、返済額はおよそ月6.6万円となります。サラリーマンで一定の年収があれば、フルローンを利用できる可能性が高いため、多くの投資家がこのような形でスタートします。

また築年数が経過すると水回り設備や外壁の修繕が必要となり、修繕積立金の値上げや臨時徴収が発生することもあります。

こうしたリスクを事前にシミュレーションせず、「常に満室で家賃が安定して入る」と考えてしまうと、資金繰りに苦しむ原因となります。

新築プレミアムで購入直後に価格が下がる

新築ワンルームマンションには「新築プレミアム」と呼ばれる割高な価格設定がされています。

これは「新築だから欲しい」という心理的な価値が加わっているためですが、実際に一度でも人が住んだ瞬間に「中古物件」となり、市場価格は大きく下落します。

例えば2,000万円で購入した新築マンションが、1年後に売却しようとすると1,600万円程度まで下がるケースも珍しくありません。

営業トークでは「将来も値下がりしにくい人気エリアです」と説明されることがありますが、初期の値下がりリスクは避けられないため、短期売却で利益を狙うのは難しいのが実情です。

投資は短期で判断するものではなく、長期的にどうなるかが重要です。例えばローンを組んで10年後、残債はまだ約1,500万円ほど残っています。その一方で物件価格は新築時より下がり、仮に売却しても1,400万円程度にしかならないケースもあります。つまり売却すると「ローン残債の方が多い=追い金が必要」となるリスクがあるのです。

金利上昇や家賃下落に左右されやすい収益構造

ローンを活用して投資する以上、金利の変動は大きなリスクとなります。

現在は低金利時代が続いていますが、将来金利が上がれば毎月の返済額も増加し、収益性は大きく悪化します。

また、家賃も必ずしも安定しているわけではありません。

築年数の経過や周辺地域の競合物件の増加により、家賃水準は下がる傾向があります。

例えば購入当初は月8万円で貸せた物件が、10年後には7万円にしか貸せないことも珍しくありません。

このように「収入は減る可能性があるのに支出は固定的に続く」という収益構造を理解しておかないと、将来的に赤字化するリスクがあるのです。

新築ワンルームマンション投資のシミュレーション

ワンルームマンション投資のメリット・デメリットを理解したうえで、実際の数字を使ってイメージすることが大切です。

ここでは「新築マンションを2,000万円で購入し、フルローンを組んだ場合」を例に、キャッシュフローや将来の収支をシミュレーションしてみましょう。

シミュレーションはあくまで一例ですが、「手元にどのくらい残るのか」「将来どのように変化するのか」を把握することで、より現実的な判断ができるようになります。

購入価格2,000万円・フルローンで想定した場合

ここで重要なのは「返済額が家賃収入の範囲内に収まるかどうか」です。

ローンの金利や返済年数によっては、毎月の返済が重くのしかかり、投資として成立しなくなる場合があります。

まずは「いくら借りると、いくら返すのか」を冷静に計算することが必要です。

家賃収入・ローン返済・管理費のキャッシュフロー

購入した物件を月8万円で貸し出したと仮定しましょう。

家賃収入8万円からローン返済6.6万円を引くと、残りは1.4万円です。

ここからさらに管理費・修繕積立金で約1万円、不動産管理会社への手数料で5,000円が差し引かれます。

結果として手元に残るのは「▲1,000円」、つまり赤字になる可能性が高いのです。

営業マンの説明では「家賃収入でローンが返済できる」と言われがちですが、実際には固定費用が積み重なり、プラスどころかマイナスになることも少なくありません。

このようにシミュレーションしてみると、「入ってくるお金より出ていくお金が多い」という現実が見えてきます。

10年後・20年後にどうなる?出口戦略を考える

20年後になればローン残債は減りますが、その頃には築年数が進み、家賃も下落している可能性が高いです。

仮に家賃が6万円まで下がれば、ローン返済や維持費を差し引いてさらに赤字幅が拡大することも考えられます。

出口戦略を考えるうえで重要なのは「いつ売るのか」「最後まで持ち続けるのか」をシナリオ別に検討することです。

投資を始める段階で出口を想定しておかないと、想定外の損失を抱える危険があります。

投資を始める前に考えるべきこと

ワンルームマンション投資は「誰でも簡単に資産形成できる」と思われがちですが、実際には長期にわたって収支やリスクを背負い続ける投資です。

そのため契約前に「自分のライフプランに合っているか」「本当に続けられるのか」を冷静に検討することが欠かせません。

ここでは、投資を始める前に必ず考えておきたい3つのポイントを紹介します。

ライフプランとキャッシュフローの確認

投資をする前にまず確認すべきは、自分や家族のライフプランです。

例えば「数年後にマイホームを購入する予定」「子どもの教育費がかかる時期が近い」など、将来の大きな支出を見越して資金計画を立てておく必要があります。

ローンを組んだ場合、毎月の返済は長期にわたり続きます。収支シミュレーションで数千円の赤字が見込まれるのであれば、その赤字を自分の家計で補えるかを慎重に判断しましょう。

ライフイベントと重なった時に返済が負担となり、投資どころではなくなるケースもあるのです。

業者のセールストークに惑わされない視点

不動産投資を勧める業者の営業トークには「年金の代わりになります」「実質タダでマンションが手に入ります」といった魅力的な言葉が並びます。

しかし、これらはメリットだけを強調しており、リスクの部分は軽く触れるか、意図的に説明を省いていることもあります。

特に「家賃保証」や「節税効果」については、仕組みをしっかり理解しないと誤解を招きやすいです。

大切なのは、営業マンの言葉を鵜呑みにせず、自分で数値を確認し、第三者の専門家の意見を参考にする姿勢です。

不動産投資は「資産形成の一手段」にすぎない

不動産投資は資産形成の方法の一つであり、万能な手段ではありません。

株式や投資信託、iDeCoやNISAといった金融商品も含めて、自分のリスク許容度に合わせたバランスを考えることが重要です。

ワンルームマンション投資に資金を集中させすぎると、空室や売却損が発生したときに家計全体が大きな影響を受けます。

逆に「不動産も含めた分散投資の一部」として位置づければ、リスクを分散しながら長期的な資産形成が可能になります。

不動産投資は魅力的な選択肢である一方で、他の資産運用と比較して「自分に本当に合っているか」を見極める冷静さが必要なのです。

まとめ ― ワンルームマンション投資は誰に向いているか?

ここまで、ワンルームマンション投資の仕組みやメリット・デメリット、シミュレーションの具体例を見てきました。

営業トークでは「年金対策」「不労所得」といった前向きな言葉が強調されますが、実際にはリスクも多く、投資として成り立つかどうかは人それぞれの状況によって大きく異なります。

最後に、どのような人が向いているのか、そして判断に迷ったときの選択肢を整理して締めくくります。

メリットとデメリットを冷静に比較する

ワンルームマンション投資は、ローンを活用して少額から始められる点や、節税効果・保険代わりの側面など魅力的なメリットがあります。

しかしその一方で、空室や修繕、家賃下落といったリスクは常に付きまといます。

特にシミュレーションでは、毎月のキャッシュフローが赤字になるケースもあり、「不労所得」と呼ぶには程遠い状況が見えてきました。

つまり大切なのは「メリットとデメリットを同じ土俵で比べる」ことです。

メリットだけに目を奪われると、思わぬ失敗を招く可能性があります。

サラリーマンが取るべき判断とは?

サラリーマンは、年収や信用力を背景にローンを組みやすいため、業者から強く勧められる世代です。

しかし実際には、住宅購入や子育て、教育費などこれから大きな支出が控えている時期でもあります。

そのため「毎月数千円の赤字を補える余裕があるか」「将来の支出と両立できるか」を考えることが極めて重要です。

もし少しでも家計に不安があるなら、無理に不動産投資を始める必要はありません。

逆に、安定した収入と余剰資金があり、長期的に資産を保有していく余裕がある人にとっては、資産形成の一手段として検討する価値はあるでしょう。

不安があればFP相談を活用しよう

ワンルームマンション投資は、不動産業者の営業トークだけを聞いて判断するにはリスクが大きい商品です。

契約前に、自分のライフプランや家計全体とのバランスを専門家と一緒に確認することをおすすめします。

ファイナンシャルプランナー(FP)は、中立的な立場から「あなたの収入・支出に無理がないか」「他の資産運用と比較して本当に適切か」をアドバイスできます。

投資は一度始めると簡単にはやめられないため、不安を感じた時点でプロに相談してみることが、結果的にリスク回避につながるのです。

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この記事を書いた人

本サイトを運営している現役FP

■経歴■
保険代理店で10年以上活動し2,000世帯以上とFP相談を行うも手数料ビジネスに嫌気がさし、FIREの実現を機に独立。

商品を販売しない自由なFPとして、自分が本当に伝えたいことを「わがまま」に遠慮なく有益な情報をお届け!

■保有資格■
-FP1級技能士
-CFP®
-証券外務員一種
-宅地建物取引士
-中小企業診断士
-貸金業務取扱主任者

詳しいプロフィールはこちらのリンクをご覧ください。

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